ミツバチの文化史
渡辺孝著
筑摩書房 1994年5月刊 2200円岐阜の養蜂場の当主の渡辺孝氏によるもの。
有史以前から、ローマ時代における養蜂やミツバチに関する記述を集めたもので、興味が尽きない一冊。ミツバチが王座のシンボルだったエジプト時代。
どうやら世界最初の養蜂国はエジプトだという。
「聖書の中のハチミツとミツバチ」の章には、旧約聖書の有名な言葉「乳と蜜の流るる地」の通り、カナンの地が本当に蜜の流れる地だったとの記述、乳と蜜だけ食べて、栄養は満たされるのかと、実験により証明してみせたアメリカの学者の話、当時のイスラエルの養蜂の実態を垣間見れる養蜂に関する規定など、博学な知識を駆使して、ミツバチとハチミツの薀蓄満載です。
知的好奇心を刺激しつつ、満たしてくれます。