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The IBRA Museum on CD  ①総集編/②養蜂家の防護服/③スケップの歴史と関連器具類

2010.01.20 by hitomi

国際ミツバチ研究協会 (IBRA International Bee Research Association) はイギリスに本部を置いて,ミツバチ科学と養蜂にかかわる情報を世界に向けて発信する60年の歴史を持つNPOです.

創立者エバ・クレーン博士が世界を駆け巡って集めた膨大な情報は, 2冊の大著 Bees and Beekeeping, The World History of Beekeeping and Honey Hunting などにまとめられています.

彼女の元には世界各地から感謝の気持ちを込めて歴史的養蜂関連グッズが贈られ,これがIBRA/Eva Crane Collectionとなりました.未公開だったそのコレクションを写真と注釈で紹介するテーマ別CDシリーズがスタートしています.

『総集編』は世界の伝統巣箱,藁製縦置き巣箱(スケップ),様々な巣枠式巣箱,隔王板,王篭からハニーハンターの道具など,コレクションの概要を200枚以上のスライドで紹介.ローマ時代のハチミツ濃し用土器から20世紀ハニーハンターの命綱まで何しろ幅広い.

表紙の絵は花粉荷を詳細に描いた研究で知られるドロシー・ホッジスが,ブリューゲルのモノクロ版画に彩色したもの.原画は16世紀ライン渓谷下流域の養蜂風景ですが,いっせつによると乱暴なスケップの扱いや,動作の不自然さから,これは綿布と防護服に身を固めたハチミツ泥棒ではないかとの説もあるそうです.

『養蜂家の防護服』は欧州各国の古い養蜂書での記述を紹介し,それを小型に再現したモデルで解説している.特徴ある面布が各国から多数集まっています.20世紀前半の養蜂風俗写真は傑作.

『スケップの歴史と関連器具類』では,近年に板製巣箱が登場まで長く使われ,欧州の養蜂家が今もつよい愛着を示すスケップが紹介されます.

ミツバチグッズなどにいまも盛んに登場するスケップを実際にみたことはありますか?その製作法や細かいノウハウを見せる古い写真,養蜂家の使い良さ,ミツバチの暮らし良さを求める様々な工夫を凝らしたスケップ巣箱や昔の養蜂風景などをまとまってみられる機会はあまりなく,本当に興味深いです.

いつの時代も養蜂家は工夫しつづけていますね.

IBRAのホームページでこれらCDを販売しています.

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