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ニホンミツバチ誌

2010.01.21 by hitomi

 

ニホンミツバチ誌

岡田一次 著 (1997) 玉川大学出版部 86 pp.

◇ニホンミツバチは自然環境の悪化や,20万群超えるセイヨウミツバチとの激しい生存争いを生き抜く,日本に昔から生息する在来種で,トウヨウミツバチの一亜種です.セイヨウミツバチの原種的性質を保持しているニホンミツバチは,家畜改良への未知の可能性も秘めています.

北は青森県・下北半島から,南は鹿児島・大隅・薩摩両半島まで,国内にひろく分布するニホンミツバチの野生の生態と,日本各地の在来飼育,生活史,天敵などの詳細が,多数の貴重な写真とともに解説されています.

◇玉川大学におけるミツバチ科学研究を導いた岡田教授が,晩年まで続けた研究をまとめた,数多くの貴重な知見と写真200枚以上を含む,研究40年の集大成です.自家出版した初版(1990)をもとに,新装版として簡単な英文の説明を追加して大学出版部からあらためて刊行された,ニホンミツバチ研究先駆けの書なのです.

◇表紙を飾る,著者撮影による厨子内に営巣するニホンミツバチと仏様の写真は,世界中で養蜂に使われているセイヨウミツバチと同様に,閉鎖空間に営巣するトウヨウミツバチの存在を一目瞭然で世界に紹介した有名な一枚で,Asian Apicultureなど欧米の多くの著作で引用されました.

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