古書 New Observations on the Natural History of Bees
Francis Huber. 1821. W. & C. Tait and Longman. 440 pp.
盲目のミツバチ研究者,フランシス・ユベールの著作(英訳版).私のコレクションは第3版.学術書は頭の代わりにものを覚えていると考えていますが,基本は本なんて,情報吸ったらあとはどんどん陳腐化すると思っている私でも,持っていたい本もあります.その1冊.AbeBooksのドイツのブランチから10年ほど前に手に入れました.
盲目の彼が,蜂の巣の色(!)に興味を持っていて,それはきっとプロポリスのせいだと,ポプラの木を切ってきて巣箱の前に置いて樹脂を採らせる実験があります(ポプラと巣の色は関係なかったんですが).プロポリスの研究始めたときに,この事実を知って,腰が抜けるほど驚いて,どうしてもその部分だけでも読まなくちゃと探したけれど見つからなかったのを,さすがは餅屋,大学の図書館のサーチャーの方が見つけてくれました.190年前の古書なので,いろいろな本屋さんの符牒が書き込まれていたり,いつかの持ち主だったであろう,J.Huxleyさんの名前もとびらに書き込まれていたりはします.それでも状態はよく,昔の印刷技術のレベルの高さや,紙の質には敬服.
ローヤルゼリー(フランス語だからジュレ・ロワイヤル)の命名者としても有名ですが,とにかくいろいろな研究を続けていました.もちろん目の見えない彼には,妹と彼の召使いが全面的に協力したということになっていて,この召使いを主人公にした小説も出ています.