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「蜂からみた花の世界」四季の蜜源植物とミツバチからの贈り物

2010.02.10 by hitomi

佐々木正己著 (2010)  海游舎 416pp. 

身近な植物や花がミツバチにはどのように見え,どう評価されているのでしょうか.第1部は約600種の植物についてその特性を簡明に解き明かします.蜜源・花粉源植物としての評価,花粉ダンゴの色,蜜線の形態,開花暦の表示,ミツバチ生産物にかかわる話題がなど,ミツバチを飼うひとに役に立つ情報がエッセイ風に記されています.著者の膨大なコレクションから選び抜かれた1600枚の写真は,花を求めてミツバチが飛んでいく日本の緑へ読者を誘います.

第2部は解説編として,「日本の蜜源植物の起源と全体像」,「蜜源植物の四季」から,「花の受粉作戦とハチの利用戦略」など,採餌行動やポリネーションを多面的にとりあげ,ハチ蜜の色と香り,ミツバチと花粉,日本在来種とセイヨウミツバチの違い,関連ミツバチ生産物にも簡潔に言及しています.

うちの周りによい蜜源・花粉源はあるのか?これから植えるなら何を選べばよいだろう?日本の養蜂植物事情を知りたいとおもう人は多いでしょう.多様な蜜源植物とそれらの流蜜特性,蜂の訪花習性などを伝える本著は,ミツバチと「ハチ蜜」に親しみをもつ人々への待望の一冊です.付録として「ミツバチの体のつくりの概説」,「ハチ蜜の品質規格」,「増殖を奨励したい蜜・花粉源植物リスト」もあるので,参考にしていただきたいです.

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