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人類が消えた世界 THE WORLD WITHOUT US

2010.02.25 by Lazy Bee

人類が消えた世界

アラン・ワイズマン著

環境の改善に取り組むのなら、参考になる本も集めてみようということになりました。

で、最初に取り上げる本としては、環境をよくするためには人間はいなくていいのかもというのが結論みたいに見えてしまうかも。
空前の大ヒット映画「アバター」も、結局、人間否定だったし。。。

ある日、突然、人類が消えたとしたら・・・そんな仮定のもとに人類の足跡と「遺産」の変化を冷静に見据えたノンフィクションです。

地球を何度も破壊できてしまうほどの核を所有し、その拡散が危惧されていることや、細菌の爆発的な増殖によるパンデミックが脅威となっている今、人類が突然、消えてしまうとはまではいかなくても、激減するということは充分考えられる。そうしたときに何が起きるかを考えることは、何をしてきたかを検証することでもある。

この本によると、人類の足跡は、ほかの生物の虐殺と砂漠化の歴史だ。

アメリカ大陸を例にとると、大型の哺乳動物の化石があり、どれも骨や歯がバラバラになって洞窟に蓄積されている。

数百万におよぶ動物が絶滅したのはなぜか。

一つの説として、ホモサピエンスが進化し、アフリカとアジアを出て、北米に到達した後に大型動物が消えていった。
食べ尽くしちゃったのだ。

上陸するだけで病原菌を持ち込み、激減することもあった。

例えば、スペイン人が上陸した当時のメソアメリカ人は2500万人いたとされているが、100年後には100万人しか残らなかった。
原因は天然痘、はしか、腸チフスなどの病原菌に免疫がなかったため。

唯一、持続可能な暮らしはマサイ族の牛を放牧しつつ、移動することで低木が育ち、それをゾウが食べることでまた牧草地になるというもの。

この循環が崩れたときから、持続可能ではなくなることが現在までのアフリカの自然の推移で証明できてしまうらしい。
いやはや、我々は存在そのものが持続可能じゃないということ。

おまけに人類が築いてきた文明とやらの脆弱なこと!

埋立地であるニューヨークの地下は地下水であふれていて、ポンプが作動しなくなれば、すぐに水浸しになる。
放射能の残存に関してはすでに45億年かかるというのは有名な話だけれど、人類がつくりだした自然界に存在しないプラスチックは海を漂い、どんどん小さく砕けて、海洋生物の体の中に取り込まれつつあるということには仰天!粉のようになれば、動物プランクトンまでが飲み込むようになる。もちろん消化はされない。

目からウロコだらけの本書だけど、一番の目ウロコは「電波は進みつづける光と同じで消えることがない」ということ。

例えばテレビの電波は宇宙に向って飛び続けるらしい。
その電波をキャッチした宇宙人が、地球をどう思うかは、届いた番組次第?

そうそう、人類が絶滅したとしたら、次に台頭してくる可能性が高いのはヒヒだそうで、「猿の惑星」になっちまうようです。

科学的な思考が苦手な私なので、ひえ~っと思うことばかりでしたが、どこまで本当なんでしょう。

かなり力を入れて読んじゃいました。2100円。価値ありました。

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