イソップ物語の中のハチたち
イソップは2600年ほど前の古代ギリシャで、奴隷であった身分からその才知でのし上がった人のようですが、その生涯はもはや伝説と言えるでしょう。
彼が創作したとされる『イソップ物語』もギリシャ語原典はとっくに失われており、現在伝わる物語にも様々なバージョンがあるのは致し方ないことのようです。
その中で特に<みつばち>に関わる話をピックアップしてみました。
■クマとミツバチ■ 1匹のミツバチから刺されたクマが激怒して巣を壊そうとしたら、今度は大群で襲われてひどい目にあったという話
■ハチ飼い■ ハチ飼いが不在中にハチミツを盗まれて呆然としていたところ、今度は戻ってきたミツバチに犯人扱いされて刺されてしまったという話
■ハチとヘビ■ 何度も頭を刺してくるハチに業を煮やしたヘビが、自分の頭もろとも車輪の下敷きになることでハチをやっつけたという話
■ミツバチとアシナガバチとスズメバチ■ 木のウロで見つかったハチミツの所有権をミツバチとアシナガバチが、スズメバチを裁判官にして法廷で争う。しかし老ミツバチの知恵で裁判の長期化が回避され、ハチミツはミツバチのものだと証明された話
■ミツバチとジュピター(ゼウス)■ ハチミツの贈り物を喜んだ神から望みを何でもかなえようと言われたミツバチが、ハチミツを盗む人間を一刺しする針が欲しいと望んだら、刺せば自分も命を落とすという条件がついてしまった話
次のものは原作となるものが探せなかったので、そのまま転記します。
■ ミツバチとアリ■
『ミツバチとアリは、どちらが思慮深くて勤勉かについて言い争い、その審判をアポロ(太陽神)に仰いだところ、アポロはアリの用心深さ、先見の明、そして他者に頼らず自立していることを褒める一方、こう言ったそうだ。「お前は自分のためだけに恩恵をもたらしている。他の生き物たちが、おまえの貯めた富から恩恵を受けたことはない。だが、ハチは工夫に富んだ称賛に値する働きによって、世界に恵みをもたらす」と。』